作文を書くときには適正な枚数というものがあるし、話をするときも何分程度でという指定があったりします。
その長さのコントロールができない子は、
「うわー!!!たりない。あともう他に何か書くことはないかな・・・」
「あれもこれも言いたくてものすごいオーバーしちゃう!!」
と頭を悩ませます。
今日はこの長さを調節する話。
私は授業で「文を書く前は設計図をつくりましょう」と言っています。
この作業は木のイラストを描くのに似ていると思います。
まず中心になる木の幹をすえる、そこから太い枝を2,3本のばす。
それぞれの枝から細い枝がのび、さらにその先にはたくさんの葉が生い茂る。
たとえば
今朝はいやなことがあった。
という作文を書きたい時、この一番シンプルな主張を示す文が幹になります。
これだけでも「いやなことがあった」という事実は伝えられるけど、もっと正確につたえたい!と思ったら、そこから枝をのばします。
今朝はいやなことがあった。
たとえば出かける前も大変だった。
家を出てからもさんざんだった。
出かける前のことと家を出てからのこと、太い枝を2本書き込みました。
さらに長く書こうと思うなら、今かいた枝からさらに細い枝をのばします。
今朝はいやなことがあった。
たとえば家を出る前も大変だった。
- お母さんが僕がのんびり準備しているのが気に入らなくてガミガミ怒ってきた。
- 僕もイライラしてしまって、うっかり飲んでいた牛乳をこぼしてしまった。
それに家を出てからもさんざんだった。
- 自転車で急いで学校に向かっていたら、歩いている人とぶつかりそうになってとっさによけて転んでしまったのだ。
- もう少しで学校につくというころで、雨まで降ってきた。
太い枝に2本ずつ、また枝を増やしました。
さらに丁寧につたえたいと思うのであれば、さっき描いた枝のひとつひとつの時の状況や自分の気持ち、何かにたとえたり過去の体験と比べる話、ちょっとしたおまけの小話などの枝葉をどんどんつけていけばいいのです。
大きく(長く)したいときは主張を伝えるために重要度の高い太いものから書き込み、減らすときは葉っぱや先の方の細い枝からカットしていきます。
幹から直接チョローンと葉っぱをくっつけてみたり、長くなりすぎたからって元の太い枝をばっさりカットすると、バランスの悪いいびつな木になってしまいますね。
設計図の段階ではできるだけたくさん枝葉を用意しておくといいと思います。
それが枝なのか葉なのか、葉のなかでも大きいものなのか小さいものなのか、優先順位をメモしておくのです。
そして文章を書きながら原稿用紙の進み具合をみて
「この枝についての話が長くなりすぎてるからこの部分から先の細い枝はカットだな」
とか
「まだ枚数に余裕があるから、おまけの小話の話も採用しよう」
という具合に調節していきます。
こうすることで小さい木でも必要最低限の情報を伝えられるし、大きい木でもバランスよくまとめることができます。
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